端午祭旅行参加者募集

江陵端午祭、旅行記(2007年6月17日〜18日、韓国)江陵端午祭公式 HP

2007年の江陵端午祭への旅行記です。去年は初めて江陵端午祭を見たので、主に全体的な行事を見ましたが、今年は江陵端午祭がユネスコから「人類の口承及び無形遺産の傑作」として選ばれるのに一番の主役である端午グッ(Danogut)を中心に見ようと旅行に出かけました。

6月17日(日)午後2時近く家を出ました。旧暦で5月5日が端午の日で、旅行からソウルへ帰って来てから分かったことですが、端午の日って夏入りを示す日だそうですね。それにしてもソウルはもう30度を越えていました。ソウルの地下鉄2号線に乗りガンビョン駅(GangByun、東ソウルターミナル駅)に着きました。左の写真は、駅のホームから見た東ソウルターミナル(Dong Seoul Terminal)です。江陵(GangReung)からソウルへ戻った時のために終電の時刻を確かめました(右の写真)。ソウルは平日は遅くまで電車がありますが、週末は早い時間に電車がなくなるからです。
ターミナルの前には、兵士たちが部隊へ復帰するためか、ところどころに見えました。建物の中へ入り、1階の右手に切符売り場があります。2階にも江陵行きの高速バスがあるようですが、時間的に変わらないので私はいつも1階で切符を買い、また1階の乗り場で乗ります。江陵までの片道の料金は12600Wでした。江陵行きのバスにはソウルから江陵まで無停車で行くバスとそうではないバスがあるようです。この日は江陵へ行く人が多いらしく、臨時バスが出ていて待たずにすぐ乗りました。ただ、臨時バスだったので案内員の指示により違った乗り場で乗りました。ターミナルを出て5分ほど込みましたが、橋で漢江を超えてからはスムーズに走りました。高速に入るまで20分ほど川に沿って走る間、天気もよく窓越しに見える川がとても綺麗でした。江陵までは約3時間くらいかかりますが、私が乗ったバスは江陵の手前で2つの場所に寄ったにもかかわらず2時間40分くらいで江陵に着きました。
江陵まで残り1時間くらいのPAで10分若くらい休憩をします。観光案内所から江原道の観光マップと江陵端午祭のパンフレットをもらい、バス近くでタバコを吸いました。売店でゴグマ(さつま芋)ドーナツ5個入りを2000Wで買い、パンフレットを読みながら食べたのですが、餅のように歯ごたえがあり美味しかったです。インスタントはあんまり食べないけどこれはよかったです。

いよいよ「江陵市外バスターミナル」に着きました。

ソウル出発(3:25)→ 高速道路進入(3:45)→ PAで休憩(4:50)→ ジンブ停車(5:30)→ フェンゲ停車(5:50)→ 江陵到着(6:10)

バスから降りたところは乗り場が見えるところでした。江陵市観光案内所が見えましたが、6時過ぎているので寄るのをやめて、バスターミナル入り口にある観光案内所で端午祭開催所行きのバスを聞きました。

ソウルへ戻る時のためにルートと時刻表を確認しました。江陵市外バスターミナルは入り口を中心に二つに分かれていますが、入り口の右にある建物に入り切符を買った方が良いです。左の方にも切符売り場はありますが、会社が違うようで料金も少し違うみたいです。私は右の1階の切符売り場で確認しました。ソウルへの行き先名は、ソウル(江南バスターミナル行き)と東ソウル(Dong Seoul Terminal)の二つがあります。ソウルに戻って来てから分かったのですが、金浦空港行きのバスもありますね、おれ金浦空港近くなのに・・・

A しんよん劇場(Shin Young 映画館) B 中央市場 C 南山橋 D 江陵端午祭会場 ※ 広い範囲の地図はここ

江陵市外バスターミナルの前のバス停から乗るバスの殆どはシンヨン劇場(Shin Young Theator)に行くそうです。ここから開催場までは歩いて10分ほどですが、端午祭開幕の前に、神様を迎えるパレードをするのですが、このパレードが見たくてわざわざシンヨン劇場に行きました。この映画館はみんな知っているようですが、小さくてよく見えませんでした。パレードが始まる時間まではまだ余裕があるので、その辺をぶらぶらしているうちに中央市場(右の写真)に出ました。地下に卸市場と書いてあり、魚も食べられるだろうなと思ったのですが、旅行が終わるまで時間がなくて行けませんでした。今度また来たら行って見よう・・・

パレードが通るのを待ちながらあっちこっち歩いている内に開催場近くまで来てしまいました。この橋の入り口でおばさんたちから聞いた話ですが、パレードの行列がこの辺で少し見せてくれるので一番良いよと言いました。しかし橋の上の景色が見たくて橋の真ん中に来たら、他の人たちもパレードや花火を見るためにつぎつぎに集まってきました。

私はパレードにすごいものを期待したのですが、期待よりパレードの規模は小さかったです。端午祭の行列と参加する団体などが提灯や火をつけた棒を持ってパレードするだけでした。時には農楽チームも通りました。今年は日本からは秋田県からナマハゲのチームが参加しました。

腹が減ったので花火までは待たずにその辺の店でご飯を食べました。すでに10時が超えていました。出発の前から目に違和感があり、今日は早く寝ようと近くの旅館に入りました。明日は朝一番から端午祭の催しを見なければいけません。どういうものなのか期待しながら眠りにつきました。


7時半に起きて、ご飯を食べて、まだ時間があるのでサウナにも行きました。薬を飲んだのに目の調子が依然として良くありません。開催場近くの薬局でまた薬を買い、開催場の橋に向かいました。写真は橋の入り口に立っている銅像です。この銅像の意味は何だろうとずっと思ってたけど、帰る直前に意味が分かりました。最初のハングル小説である洪吉童(Hong Gil Dong)傳の主人公だったのです。この小説を書いた人がこの土地の生まれだからでした。一年かけて知ったことだからきっと死ぬまで忘れられないでしょうね。

橋の上から祭り会場を眺めてみました、この川を南大川(Nam Dae Cheon)と言いますが、梅雨時には氾濫するようです。遠くに大関嶺(Dae Guwan Ryung)と言う山々が見えますが、この江陵端午祭は大関嶺の 山の神と男女の守護神をシャーマニズム的祭礼によって讃える、大関嶺のお祭りです。

海側の方面には全国から在来の市場を回りながら商売を営む店が並んでいました。写真の右にサーカスもありますね。

橋を渡ったところの道路沿いには、大学や企業など各団体ごとに市民のためのサービスがありました。中には無料健康診断(血圧検査や歯科診断など簡単なサービスですが)などのサービスもありますが、私は郵便局のコーナーに目が行ってしまいました。端午祭の記念切手を作ってくれるそうです。後ろに見えるポスターをバックに写真を撮り、その画像を切手とともにつけてくれるサービスで、7500W払い、ムクゲの切手と自分の写真がセットにされているのを頼みました。1週間後家に送ってくれるそうですが、とても楽しみです。

端午グッが行われる祭壇です。端午祭の本行事が行われる5つ日間ほど、朝奠祭(Jojeonje)と端午グッ(Danogut)が毎日行われます。今回の祭りでは、朝の10時から11時まで朝奠祭、11時から夜の8時まで端午グッが行われました。朝奠祭の奠(Jeon)と言う文字は、死人を埋葬する前に?座の前に簡単なお酒と料理をささげるのを意味し、この地域の平和を祈る行事です。儒教的な儀式で少し堅苦しい感じも無いわけではないですが、数少ない外国人たちは興味深い視線で見ていました。

江陵端午祭

江陵端午祭 江陵端午祭
朝奠祭が終わり、場を整えてから不淨グッ(Bujeong Gut)が始まりました。不淨グッとは、本番のグッが始まる前に、場を清める意味で行われます。
江陵端午祭 江陵端午祭
左の写真は、端午祭で祭る二人の神様です。左が女神、右が男の神様です。バックに神が張られていたから近くでみたら、神様にお願いをする人たちの名前、生年月日が書いてあり、お守りの文句も書いてありました。

江陵端午祭 江陵端午祭

不淨グッにより場所を清めたら、色んな神様たちをこの場に招待し、座るように促す請座グッ(Cheongjua Gut)を始め、それぞれの願いを聞いてもらうグッです。30分ほど語りや歌が続いて少し退屈気味でしたが、演奏する楽器はテンポも早くノリが良いので演奏を聴きながらしのいでいました。


請座グッのクライマックス

江陵端午祭 江陵端午祭
請座グッの最後の場面は、演奏のテンポが猛スピードを出し、巫女の踊りは今までとは違い激しい踊りや歌へと変わります。江陵端午祭は、神様を祭る行事、韓国最大の在来市場が並ぶこと、そして最後にこの端午グッの三拍子ですが、その中でも端午グッが一番であることが分かったのは、この時からでした。端午グッを細かく分けると○○グッと言い、30種類くらいのグッがありますが、それをこの期間中にすべて披露するわけですが、どのグッも最初の導入約30分間は、他のグッに比べて少々インパクトが弱い感じでしたが、終わり頃になると巫女の踊りや歌、そして楽器の演奏が激しくなり、妙な雰囲気に包まれます。これ以上に魅力的なグッはまだ見たことがありません。去年からちゃんと見てればよかったのにと思いました。きっとこの場にいなかった人は分からないと思いますね。最後の5分、10分のためにじわりじわりと30分間ゆっくり語ったり踊ったりする、いざ最後のシーンになると、想像を絶するような激しい場になる。これは本当に格好良いです。

和解グッ(Hwahe Gut)と言います。前の請座グッの巫女さんに比べて比較的若い巫女さんでした。貫録のせいか前より激しい感動はなかったのですが、最後の場になるとちゃんと決めてくれました。和解グッとは、祭壇に祭られている位牌を見ると名前が二つありますが、ひとつは男と女の神様の位牌を祭ってあります。男の神様は、上の写真でみえる大関嶺という山に祭られており、女の神様は、村の中に祭られ、遠くに離れていますが、この二人の神様が和解し、それぞれの願いを聞いてくれることを祈るんだそうです。 江陵端午祭

端午市(Dano Jang)です。この市には全国からの市めぐり商人たちが集まって物を売ったり、料理を売ったりします。韓国最大の市だそうです。韓国の東海ではイカがよく取れるので、イカスンデ(イカ腸詰)を売っている店がよく見えます。ソウルでも売ってはいると思うけど、ここで川を眺めながら食べるのは一味違うでしょう。

下の写真は、物を売る店の様子ですが、在来の市場がそうであるように穀物から1000W均一ショップまであります。

左の写真には、お酒とお餅があります。江陵端午祭は、端午の日の1ヶ月くらい前から、山の神様を祭る行事を行うのですが、その行事の中にお酒を作るのも入っていて、この時作ったお酒を神酒と言います。一本買って飲みたかったのですが、目の具合が悪くて仕方なくあきらめました。

左の写真は、イカで作った杯です。これはほしかったですが、カバンの中がノートパソコン、充電器、着替え用の服などでいっぱいで、さらにカメラ用のカバンもかけていたし、これを買ったら写真が撮れなくなると思ってこれもパスしました。しかし、これに焼酎入れて飲んだら本当にうまそうでしたね。イカは後で食べても良いですし・・・

昨夜から目の違和感が治らなくてどうしようと思いました。薬は飲んでいるけどあんまりよくならないし、端午祭の色んな催しをすべて見るためにはかなりハードなスケジュールです。江陵端午祭はユネスコの無形世界遺産として登録されてから、遺産保護の責任を果たすために、全国各地の無形遺産の公演も開催されるようになったようです。なので端午祭の元々の催しだけではなく、普段見られない各地の伝統行事が見れるし、他の国の伝統的なものまで見ようとしたらすごく忙しいです。それを考えたらここにいると無理をしてしまいそうでした。それで今年の端午祭見物は今日で終わろうと思いました。体が第一だからまず昼食を食べたのですが、開催場近くにある牛頭クッパを頼みました。肉がとても柔らかくて店の人に聞いてみたら、江陵の牛をつかったそうです。

江陵端午祭

昼食を食べてからもともとは他の国の伝統公演を見るつもりでしたが、今日でソウルに帰ると決めたので、余計時間が短く感じました。日本のナマハゲも見たかったのですが、仕方なくあきらめて、せっかく端午グッの本当の面白さが分かったから、帰るまでそれを見ようと思い、端午グッ祭壇に戻りました。

これはセゾングッ(Sejon Gut)と言うものです。途中から見たので良く分かりませんが、導入の比較的やさしい語りや歌が終わってから、集まっていた人たちの中から丑年(?)、蛇年、酉年生まれの男を一人募集します。理由は、この干支の人が今年(2007年)の三災の年にあたるから、その人を神様に捧げて厄払いをしてくれるそうです。巫女さんの後ろに座っているのが、そお酉年の男です。おれも酉年なのに・・・

江陵端午祭

江陵端午祭

このグッの踊りは、僧舞とにています。導入の時の語りの内容が、僧侶と女が関係し子供を生み、それぞれ神様になるという神話的内容だからでしょう。この辺までみて帰ろうと思って、帰り支度をしていたら、さっきの男が変になって、まるで自分が巫女さんになったかのように、巫女さんの服を着て踊っているのではありませんか。急いでカメラを再び取り出しましたが、すでに終わっていました。一番の見所だったのに非常に残念です。

江陵端午祭
江陵端午祭 江陵端午祭
このグッが終わると例の男を使って集まった人々から金を集めさせます。あまりにも面白かったし見せられたので私も進んでだしました。私も今年は厄年だと言うからいくらか出さないと・・・

江陵端午祭
これはグッというよりは、遊びに近いです。巫女さんのグッが終わってから今まで楽器を演奏していた楽師たちが、お笑いのような芸を披露してくれるのですが、ちゃんと理由とストーリーはありますが、ちょっと忘れてしまいました。しかし、今まで女の巫女さんとは違い男が登場することによってさらに場が盛り上がるような気がしました。これが終わる前に私は会場を後にしました。また巫女さんのグッに見せられたら今日中に帰ることはできないと思ったからです。

江陵端午祭 江陵端午祭
グッを行う人をムダン(Mudang)と言いますが、端午グッのMudangは、占いや予言などをする降神巫と違って、その地域の住民たちの宗教的な欲求を満足させ、純粋なシャーマンの儀式を仕切る役割をする世襲巫で、この世襲巫は家族単位で受け継がれているそうです。世襲巫では女だけが巫女になり、男は楽器を演奏するのが普通です。
江陵端午祭 江陵端午祭
グッとMudangは、韓国だけあるだろうと思ったのですが、日本の沖縄にも降神巫(ユタ)と世襲巫(ノロ)があるそうです。沖縄のノロは消滅したそうですが、韓国の東海岸と南地域にはまだ世襲巫が活動しています。今回端午グッを見ながら綺麗なお嬢さんが目立ったので不思議に思いましたが、端午グッの巫女は世襲巫だから、血のつながりのある人たちが行っているそうです。それにしても今時若い人たちがシャーマニズムの風習を受け継ぐっていうことも珍しいなと思いました。

体の調子が悪くて計画より早く帰るのは惜しいけど、去年の端午祭で見逃した物が分かって満足でした。短かったけど今年も来てよかったと思いながら、橋を渡りました。橋の上から見た祭り会場は、午後から夕方に変わる炎のように燃えている太陽で、極端なコントラストを現していました。去年と違って、江陵端午祭の一番の見所はやっぱり端午グッだったなと・・・二度目に来てそれがやっと分かったことに満足げな気持ちで、橋を渡り、橋の上から川や遠くに見える大関嶺を見、橋を歩き詰めたところでタクシーに乗りました。

タクシーで10分くらい走って江陵市外バスターミナルに着きました。料金は2300W。昨日までは調子も悪いし、去年とあんまり変わらないかなと思い、午後から海や港見物でもしようかなと思ったのが、いつの間にか一日中端午祭を見ていました。東ソウルターミナル行きのバスに乗って、来年はまだ見ていない他の端午グッと、山神祭も見なきゃなと思いました。それよりおれ一人だけいい物を楽しんで良いのか・・来年は何とかして沢山の人に見せなきゃな・・・ 2007.6.21