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『お会いできて嬉しいです』(만나서 반갑습니다)

by 竹下 南

 2014年9月27日、28日「日韓交流おまつり」が日比谷公園で開催された。

日本と韓国が“ひとつになる”このおまつりは、2005年日韓国交正常化40周年を記念した「日韓友情年」の事業としてまずソウルで始められ、2009年からは毎年東京とソウルで開催されるようになった。秋の穏やかな陽光のなか、日本人と韓国人が楽しげに集っている光景は和気あいあい、平和そのものの姿だ。韓流ブームが一段落したからこそ訪れた昨今の落着きに感謝しながら(?)会場内を歩き回った…。

日比谷公園には、メインの舞台を取り囲むようにして各テントが賑わっていた。マッコリ試飲、韓服試着、韓紙工芸など各コーナーが紹介され行列ができるほどの人気コーナーもあったけれど、その中でも一番人気は韓服を試着して写真を撮ってもらうというものだった。

 カップルで韓服を着て写真におさまる姿を傍から見ていると、つくづく日本人も韓国人も同系の顔かたちだなァー、と改めて思ってしまう。両国この地理的近さゆえ、もちろん、国境も無かった太古の昔には半島へ行ったり、来たりの生活があって、そこでの人種的ミックスも容易に成り立っていたことは想像つく。対馬から釜山まで49.5㎞。以前ちんぐ音楽祭で対馬を訪れた際、丘の上の展望台から遠く釜山の輪郭が肉眼で見えたことを思い出す。対馬は日本の九州よりも韓国の釜山に近い位置関係にあることから、島には韓国からの観光客が多く訪れるという。そういえば、道路標識にもハングルが併記してあったっけ…。

私はまだ行っていないが、埼玉県にある高麗神社には、奈良時代に高句麗から亡命してきた高句麗人たちが祀られているという。かれらは高い文化を持つことから、開拓、養蚕、窯業など先進技術を伝授し、日本の国家形成に役立ってくれたそうだ。こうした渡来民によって里は活気づき村人との交流も盛んに行われ人種的交流もあったのに違いなかろう。

翻って太古の時代から時は下るが、日本が半島へ仕掛けた数々の武力行為には歴史を勉強すればするほど、日本人の末裔のひとりとして懺悔の気持ちでいっぱいになる。豊臣秀吉の朝鮮侵略、その後の日清・日露戦争を経て朝鮮半島を蹂躙し、植民地政策を進めてきた歴史的過去の過ちに対しても、果たしてわたしたちはどのように償ってきたのであろうか。私は1965年の「日韓基本条約」ですべて解決済みにはならない、と考える。

訪韓していつも思うことは、出会う韓国の人々は優しく、丁寧に応対してくれるということ。人間関係が非常に密で、草の根のお付き合いは楽しく、まるでオンギのような素朴な暖かさで接してくれるのが嬉しい。

ではわたしたち日本人はどのようにそれに答えたらよいのか…?

そのような韓国への想いを歌にまとめたのが『お会いできて嬉しいです』(만나서 반갑습니다)作詞・作曲竹下南 なのだ。

♪ お会いできて嬉しいです   당신을 만나서 정말 반가워요

  あなたの笑顔に感謝します  따뜻한 환영에 감사합니다

  お会いできて嬉しいです   당신을 만나서 정말 반가워요

  これからも よろしく    앞으로도 잘 부탁해요

実は、冒頭での“日韓交流おまつり”でこの歌が日本の「韓国歌謡友の会」の皆さんによって合唱された。秋の青空のもと、日比谷公園にこの歌が響き渡り、舞台と客席がひとつになったのを見て、もう感激!

もっともっと、日本で、韓国で、この歌を歌ってほしいと願う。

“近い”からこそ…、いろいろな問題がありますが…。

でも、本当にわたしたち日本人は “あなたの笑顔に感謝します”
でも、本当にわたしたち日本人は “따뜻한 환영에 감사합니다 ”

この気持ちでいっぱいなのである。- 2014.10 -

日韓交流おまつり公式サイト