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平昌冬季オリンピック

by 竹下 南

 江陵で繰り広げられた冬季オリンピックも終わろうとしている。
「寒い」「風が強い」「トイレが少ない」…など、オリンピック開催地の前評判はあまり良くなかった。
 日本から2時間で行ける韓国で開催されるオリンピックだから応援に行こうと思ったら行けたのに、日本に居ながらにしてのテレビ観戦が多かったのには、やはり「南北平昌五輪外交」の影響があったのではないかと思う。
 9日に開幕する以前からオリンピックの話題は競技よりも、北朝鮮の金与正氏、高官代表団、美女応援団の一挙手一投足に集まっていた。日本のメディアでは「ほほ笑み外交」の裏に隠されていたもの、今後の南北朝鮮のゆくえなどの分析が識者によって連日のごとく行われていた。
「五輪を政治利用して経済制裁をなし崩しにしようとしている」
「北朝鮮の非核化なしに、南北融和はあり得ない」
「韓国は北朝鮮に併合されようとしているのではないか…」

 世界中の人々が集うオリンピックのはずなのに、まるで韓国、北朝鮮、さらに日本しか参加していないがごとくの報道にはあきれてしまった。当初安倍首相は開会式には行かないと言っていたがしかし、その後米国のペンス副大統領が参加すると決まったとたん行くこととなり、閉会式には北朝鮮労働党副委員長金英哲氏を団長とする北朝鮮の高官代表団が派遣されるという。また米国からはイヴァンカ補佐官が参加するという展開にも。極東アジア情勢に最後のトリとしてアメリカが乗り込んでくる、といった政治的様相がありありと感じられる。(たとえ北との接触がないにしても…)

李相花選手と小平奈緒選手
李相花選手を慰労する小平奈緒選手

 さてここで、韓国主催の平昌オリンピックは果たして成功だったのだろうか…?

 もし、そう聞かれたとしたら、スピードスケートの「小平奈緒と李相花選手の熱い友情」が何よりものオリンピックハイライトであり、オリンピックの成功を導いたひとつの要素だったと答えたい。競技後韓国人と日本人、二人の選手が肩を寄せ合いながらトラックを滑っていく姿には感動の涙を抑え切れなかった…。
こんな光景はオリンピックだからこそのものだ。きっと韓国国民もそう感じたことと思う。
オリンピックに臨んで統一旗を持った韓国・北朝鮮選手たちの姿もあったし、久しぶりに美女応援団も見たし、金正恩氏の妹・金与正氏の顔もはっきりとわかった。
これらすべてのことは、平昌オリンピックが開催されてなかったら、見ることができなかったと考えると、やはり歴史的には“成功”だったのではないか。

 ただひとつ、残念なことがある。
それは、日本のメディアにおいて韓国の紹介・報道がほとんどなかったことである。2002年日韓ワールドカップのときは、地理・食事・習慣・エンターテイメントなど、取材合戦のごとく多岐にわたって紹介されていたが、今回はそれらがほとんどなかった。かわって政治ネタが猛威を振るっていたわけだ。
韓流がまた訪れてほしいとは思わないけれど、ここまでそっけなくなるとは何とも寂しいかぎりである。
まァ、イッカ…、すでに韓国の魅力が日本に浸透したことなのかもしれないので…。

李相花と小平奈緒の抱擁(韓国語ニュースの解説)

2018.2. 25